株式会社駅探 / Ekitan&Co., Ltd.


地域公共交通の維持・活性化を図る収益循環モデル「江差マース」が第2フェーズへ
経済産業省、国土交通省の2つの事業での採択と有償による実証実験の実施
~令和3年度に引き続き、北海道江差町エリアにおいて、今年度はLINEアプリの活用等、新規のサービスを活用した実証実験に参画します~

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株式会社駅探(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金田直之、以下「当社」)は2020年11月に締結した「北海道地域でのMaaS事業展開に関わる業務提携」に基づき、令和3年度に続き令和4年度も北海道江差町エリアでの地域住民向けMaaS※の実証実験(通称「江差マース」)を行うこととなりました。

令和3年度の試みは(以下URLご参照)、移動サービスを単なる交通手段から新たな価値の創出と捉え、移動の各フェーズにおける収益創造と、収益の地域循環モデルを検証したものです。実証の結果、新たな移動手段と経済活動の関連をデータとして取得するとともに、利用頻度の向上や経済活動の拡大に向けた課題と対策の発想を得るという成果を創出することができました。

(2021年12月14日掲載) 
北海道におけるMaaS実装化に資する収益循環モデルの事業性調査・分析事業の実証実験を実施
https://ekitan.co.jp/corp/news/20211214-1/

※MaaS(マース:Mobility as a Service)とは、地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対応して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービスであり、観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、移動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるもの(国土交通省)

当社は事業コンセプトである「From the Stations ~駅から始めよう~」に基づき、地域の事業者のサービスと生活者のニーズを最適に結びつける「地域マーケティングプラットフォーム」の構築を事業戦略の主たる柱とし、創業来からの乗り換え案内技術・アルゴリズムを活用したメディア事業・広告配信事業・法人企業向けSaaS事業を展開いたしております。今回の取り組みは、当社の技術データ資産である電車やバス等の公共交通の経路検索機能やモビリティ関連データの活用、また法人企業向けのSaaS提供・DX支援といったシステムソリューションを提供してきたサービス資産を活用した実証実験となります。

本実証実験は前回の試みをさらに進化させ、有償運行による住民の受容性の醸成や域内共通ポイントカード「江差EZOCA」やアプリによる購買や行動の需要喚起、オンデマンドバス(ジャンボハイヤー)による住民の移動促進を図ります。また地域の小売事業者など収入の増分を交通サービスの運営に充てる「収益循環モデル」の事業性検証を通して、同モデルの社会実装を目指すことを目的としています。


本実証実験でMaaS配車機能を中心に商店の情報提供・クーポン発券等「買い物」支援サービスを実装します(下記「サービス」赤枠の機能)。将来的には今回構築するLINE APIを活用したデータ連携基盤と同一の基盤にてポイントカード/個人認証(デジタルID)連携、デジタル地域振興券等地域通貨機能、マイナンバー等行政サービスとの連携も視野に入れ地域住民の生活全般をサポートする「生活便利アプリ」の構築も本事業を通じて目指していきます。

なお、本実証実験は、①経済産業省製造産業局自動車課が実施する令和4年度「無人自動運転等のCASE 対応に向けた実証・支援事業(地域新MaaS 創出推進事業)」の実証地域、および②国土交通省総合政策局地域交通課が実施する令和4年度「地域交通を共に創り出す新たなモデル事業」に選定され、実施するものです。①について北海道で採択を受けたのは本案件のみとなります。

これらの取り組みを通じて、当社は今後もMaaS関連サービスのブラッシュアップや拡充に努め、安心安全で快適なモビリティ社会の実現、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

【実証実験概要(予定)】
 □受託事業
  ①経済産業省「令和4年度 地域新MaaS 創出推進事業」
   実施主体:サツドラホールディングス株式会社
  ②国土交通省「令和4年度 地域交通を共に創り出す新たなモデル事業」
   実施主体:江差町地域公共交通活性化協議会(共創パートナー:サツドラホールディングス株式会社)
 □運行期間
  ①2022年10月 ~ 2022年11月末
  ②2022年12月 ~ 2023年1月末
 □運行地区
  ①江差町南部の一部地域:上町・下町エリア
  ②江差町全域:上記+南部地域・北部地域 ※南部・北部で各エリア内の運行
 □サービス利用対象者
  上記運行地区の江差町住民および奥尻町からの江差町来訪者
 □予約方法
  自動音声予約(電話)、LINE(スマホ)、据置端末(タブレットPC)
 □運賃および支払方法
  現在調整中

 □江差マース主な機能
  1、オンデマンド配車予約(自動音声、LINE、店頭据え置き端末)および移動
  2、経路検索
  3、店舗や商店街の情報配信
  4、お買い物クーポンの配信
  5、自治体イベント情報の配信
  ※2~5はLINE(スマホ)の利用者に限る

 

□各社の役割

 サツドラホールディングス株式会社   協議会運営・企画/事業構築 
 江差町地域公共交通活性化協議会   実証フィールドの提供/住民周知 
 江差町地域公共交通計画への反映 
 実装に向けた交通事業者との連携・調整 
 株式会社駅探   既存公共交通との情報連携、システム提供/モビリティ関連データ取得 
 株式会社未来シェア   SAVS(配車計算サービス)・他地域事例提供 
 パーソルプロセス&テクノロジー株式会社   システム提供(LINEを活用したアプリケーション開発)/ 
 モビリティ関連データ取得 
 はこだて未来大学/札幌市立大学   学識有識者からの助言・サポート 
 有限会社桧山ハイヤー   運行業務① 
 追分カード会
 (江差商工会員など約40店舗加盟)
 MaaSプラットフォームの活用(自店クーポン発行/情報発信等) 
 奥尻町   江差町来訪者に対する本サービス提供支援 
 株式会社リージョナルマーケティング   EZOCAプラットフォーム提供、顧客データ/アンケート取得 
 北海道経済連合会   プロジェクト運営における助言(Society5.0推進) 
 函館バス株式会社 ※   運行業務②、配車受付(電話予約)業務 
 日本データーサービス株式会社 ※   基礎調査業務、江差町地域公共交通計画策定に係る業務支援 

 ※上記②の事業に参画予定となります。

【実証実験のサービスロゴ、キャラクター】
本実証実験ではご利用頂く江差町の皆さまに対する更なる認知拡大と理解深耕を目的に新たなロゴ、キャラクターを作成いたしました。「新しい気軽で便利な移動手段」としてMaaSを認知していただくためにあえてサービス名を片仮名表記の「江差マース」とし、MaasのM/車のタイヤ/車のシルエットの要素を利用し見る人に躍動感や能動的な印象を与えるロゴと、Mobilityをコンセプトに「移動」「乗ってもらうこと」を意識した造形のキャラクターです。